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第2回

今なぜ読解力なのか… その2

小宮山 博仁

2008年12月16日公開

OECDが実施した国際的な学力調査PISA(ピザ)では、読解力が低下傾向にあることが明らかになり、日本の教育関係者はかなりのショックを受けました。このPISAの「読解力」とは何なのかを今月は考えてみたいと思います。

今までの日本の学校では、読解力は国語の授業で養うものだという考えがありました。しかも小・中・高生の教科書には、童話や小説といった「物語」が多く掲載されています。
国語を教えることが得意な先生というのは、たいがい文学部出身です。ストーリーのある文章を読み、主人公などの登場人物が何を考えているのかを「読み取る」学びが、国語の授業の中心でした。
人の気持ちを推理(相手の気持ちになれる)したり、文章を読みその場面を頭の中で思い浮かべることができるような授業と言ってもよいでしょう。

しかしPISAの読解力は、日本の国語の授業の主流になっていた「物語」を読み取る読解力とは違っています。「心」や「情」という読み取りではなく、「理屈で順序だてて物事を考えていくことができる」力を確かめようとするのがPISAの「読解力」の問題なのです。グラフや表や絵などの資料をもとにして、推理しながら理路整然と自分の考えを表現することができる能力が、OECDが求めている読解力です。
今までの日本の国語の授業なら、説明文や論説文の読解力に近いものがあります。読解力に関したPISAの場合の設問は、ほとんどが記述式となっています。今世界では、PISA型の読解力が求められているのです。

次回はPISA型の読解力とはどのようなものかを具体的に示していきます。

小宮山 博仁〔こみやま ひろひと〕

学研メソッドネットゼミ主宰。一貫して「小・中学生に本物の学力を身につけさせるにはどうしたらよいか」をテーマに学習塾を経営しながら、「できる」だけではなく「わかる」ことを重視した教育運動を新聞、雑誌などのメディアを通じて行う。主な著書に「塾の力」「大人に役立つ算数」(以上、文春新書)、「塾 —学校スリム化時代を前に」(岩波書店)、「子どもの『底力』が育つ塾選び」(平凡社新書)、「中学受験と生きる力」(日本評論社)など。
日本教育社会学会、日本キャリアデザイン学会、日本教育学会、日本教育心理学会などの会員。毎日小学生新聞(毎日新聞社)で教育コラム「小宮山塾」連載中。

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