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小宮山 博仁
2009年09月15日公開
義務教育の小学校を休むことが困る理由を、3つに分けて考えてみることにしましょう。
義務教育の小学校を休んで受験勉強をするのを、一番嫌がるのは私立中学の先生方です。そのような、国の憲法や法律で決められた約束事を破るような人には来てほしくない、というのが私立中学の関係者の本音です。
合格するためには手段を選ばない、というような親子は敬遠されてしまいます。このようなことが一般的になると、いずれ私立中学側は自主規制をし、内申書に学校の欠席日数と理由を書くことを小学校に要求してくるかもしれません。これが第1の理由です。
小学校での友達との交流や学びは、子どもの生活の中では一番のウエイトを占めます。そのため小学生の頃は、学校を休むことに対する後ろめたさはかなりのものがあるはずです。この後ろめたさはひょっとして一生背負うことになるに違いありません。社会人として成長していく上で、ハンディ(トラウマと言ってもよいでしょう)を負う可能性が高いと言えるでしょう。これが2つ目の理由です。
親の勝手な理由で義務教育を受けさせないと、国や企業は危機感を持ちます。義務教育の崩壊を一番恐れているのは企業人と言ってもよいかもしれません。政府に圧力をかけ、国が介入して法的に「中学受験」や「塾」に規制をかけてくることが考えられます。私学の「自由」が制限されることも生じてきます。これが3つ目の理由です。
一部の利己主義の親の行動で多くの人が迷惑をこうむるようなことがないように、塾関係者は親に適切なアドバイスをしていただきたいと思います。
小宮山 博仁〔こみやま ひろひと〕
学研メソッドネットゼミ主宰。一貫して「小・中学生に本物の学力を身につけさせるにはどうしたらよいか」をテーマに学習塾を経営しながら、「できる」だけではなく「わかる」ことを重視した教育運動を新聞、雑誌などのメディアを通じて行う。主な著書に「塾の力」「大人に役立つ算数」(以上、文春新書)、「塾 —学校スリム化時代を前に」(岩波書店)、「子どもの『底力』が育つ塾選び」(平凡社新書)、「中学受験と生きる力」(日本評論社)など。
日本教育社会学会、日本キャリアデザイン学会、日本教育学会、日本教育心理学会などの会員。毎日小学生新聞(毎日新聞社)で教育コラム「小宮山塾」連載中。