幼児から大人まで、「見える学力」から「見えない学力」までをサポートします。


小宮山 博仁
2010年01月19日公開
地域社会の安定化は、学校と家庭の教育力を高めることは明白です。地域社会の連帯感が薄れてしまうと、人と人とのつながりが分断されてしまい、無益な競争に走りがちとなります。当然学校と家庭の教育力の低下をもたらします。
2007年から始まった全国学力テストではっきりわかったことがあります。秋田・富山・福井・青森といった地域と、東京・神奈川・大阪といった地域を比較すると興味深いことが明らかになりました。
前者の地域のテストの点数が後者の地域よりも高かったこと、しかも子ども1人当たりに注ぎ込む教育費が後者は前者の数倍であることが判明したのです。教育費を子どもの将来の「投資」という考えもありますが、そうだとしたら大変投資効率が悪いのが大都会ということになります。
なぜこのような結果になってしまったのでしょうか。この謎を解くカギは「地域社会の連帯感」だと私は考えています。そこに住人でいる1人ひとりの市民が連帯感の無い生活をしていると、地域社会皆で子どもを育てるという気持ちが少なくなってしまいます。そのような地域の学校に多くの教育費を投入してもあまり効果が出ないのは明白です。
さらに、不安定な地域社会の家庭では、子育てに悩み無駄な教育競争をしがちになってしまいます。子どもの心も不安定になり、学力向上どころではありません。これも家庭の教育力低下の1つと考えられます。
では、子どもの学力を向上させるにはどうしたらよいかの具体的な提言を次回からしていこうと思います。
小宮山 博仁〔こみやま ひろひと〕
学研メソッドネットゼミ主宰。一貫して「小・中学生に本物の学力を身につけさせるにはどうしたらよいか」をテーマに学習塾を経営しながら、「できる」だけではなく「わかる」ことを重視した教育運動を新聞、雑誌などのメディアを通じて行う。主な著書に「塾の力」「大人に役立つ算数」(以上、文春新書)、「塾 —学校スリム化時代を前に」(岩波書店)、「子どもの『底力』が育つ塾選び」(平凡社新書)、「中学受験と生きる力」(日本評論社)など。
日本教育社会学会、日本キャリアデザイン学会、日本教育学会、日本教育心理学会などの会員。毎日小学生新聞(毎日新聞社)で教育コラム「小宮山塾」連載中。