幼児から大人まで、「見える学力」から「見えない学力」までをサポートします。


2009年11月24日公開
プロローグ
こんにちは、はじめまして菅原亜樹子です。
私は各界で活躍する方々にインタビューをして、そのメッセージをまとめた本を出版しました。その貴重なメッセージを伝える「夢さがし講演会」を全国の小・中・高のキャリア教育の一環として行ったり、父母会や経済界の方々に招かれ、様々なテーマでお話しています。
そもそも、この活動を始めたきっかけは、今から9年前のこと。
当時小学6年生と、中学3年生だった二人の息子から、「ねぇ、僕達は何のために勉強しているの?」という素朴な質問をされたことがきっかけとなりました。
社会に出る前の子どもたちは、親や自分の身近な大人たちの仕事についてはなんとなく知り得ても、簡単に話を聞くチャンスがない世界で活躍している人の仕事はわかりません。
そこで、子どもたちの視野を広げる手助けとして、様々な分野で活躍している人に私が直接お会いして話しを伺い、本にまとめようと思いつきました。
それまで専業主婦だった私は、まずは本の出版についての勉強から始め、体当たりでアポイントをとり、著名な方々にも率直に趣旨をご説明してインタビューをお願いしました。
こうして「母がつくった仕事の本」は時代のニーズにも応えたのか、反響が大きく、最初の本の『夢さがしエトセトラ』はたちまち話題となり、講演依頼もくるようになったのです。
その後も、インタビューを継続してきた私は2009年春、3冊目の著書『だから、一流。』(学研)を出版することができました。
これまでに70名を超えるトップランナーに取材をしてきましたが、それぞれの方々が自分の夢を実現するまでの生き様を知り、その人ならではの心を打つメッセージの数々と出会うことができました。
それは私にとって「新しい発見」と「感動」の連続でもありました。
そして、この活動を通して、私自身の視野も広がり、多くのことを学ぶことができたのです。
私はこの「夢さがしコラム」を通して、これまでの経験を生かし、一人の母親としての目線から、今まさに「子育て奮闘中のお母様方」にエールを送ることができたらと思っております。
また、2006年に若者の夢さがしをサポートする任意団体「夢さがしプロジェクト」を設立しましたが、このプロジェクトのメンバー7名にも毎月代わる代わる登場してもらい、テーマに合わせたメッセージをお届けしたいと考えています。
今月のテーマ 「親も視野をひろげよう!」
初めての本『夢さがしエトセトラ』を2002年に出版してから、私はその本の共著者である真船貴代子さんと今日まで講演を続けています。
題して「夢さがし講演」は生徒たちのためだけでなく、父母対象の講演として招かれることも多いのです。
様々な情報が飛び交い、職業も多様化してきただけに、「自分の進路さがし」に悩んだり、自分のやりたいことを見失ったり、見つけられない子どもたちが増えています。
それは子どもたちだけの問題ではなく、子どもたちを見守っている親たちが直面している「悩み」であり、子育てにおける大きな「課題」でもあるのです。
私が講演で出会う PTA の多くの方々は「私たち親は子どもにどのように接していけばいいのか、わからなくなることがあります」と言われ、そのために「夢さがし講演」でのメッセージから何かヒントを得たいと思われるようです。
父母講演で主にテーマとしているのが「子どもの夢さがしのために大人ができること」です。
「子どもなんてほっとけば、自分で生きていけるものだ」とか「子どもの夢さがしなんて親が出る幕ではない。過保護だ」というご意見もあるかもしれません。
しかし、日常の生活の中で、子どもたちの一番身近にいる存在は親(主に母親)である場合がほとんどです。未来に「閉塞感」すら感じられる現代社会へいずれ巣立っていく子どもたちに「希望を持ち続けましょう!」とエールを送ったり、適切なアドバイスをしたりと、「側面援助」をできるのは、やはり、親なのではないでしょうか。
学校任せや塾任せにしていないで、子どもたちが何か不安に思ったり、悩んでいるときこそ、手を差し伸べてあげたいと、私自身も心がけてきました。
「親の出る幕」だと信じています。
そのためにも、まずは親が視野を広げていかなくてはならないと思うのです。
たとえば、色々な人と会って話を聞いたり、新聞や本を読んで自分に新しい情報を得ておくことで、子どもたちが「ねぇ、これってどう思う?」と尋ねてきた時に答えられるようにしておきたいものです。
また、時には「お母さんも初めて聞いたわ。一緒に調べてみましょう」と言ってあげると、子どもにとっても心強く感じられるのではと思います。
親自身が新しいことに挑戦したり、生き生きとしてくると子どもが親を見る目も変わってきます。
我が家の息子たちも、母親の変化に少なからず影響されたようです。
それまで子育てや主婦業に専念していた私ですが、「本を出版しよう!」と思い立ってからは日々の生活が変化していきました。
「外出」と言えば、学校行事だったり、ママ友とのランチだったのが、出版社の人と会ったり、取材先に出向いたりということが増え、子どもたちと囲む食卓での話題も新しいことが増えました。
家庭の中にいたら、会う機会すらなかったトップランナーの人と言葉を交わし、充実した話を聞き感動して帰るたびにハイテンションとなって「聞いて、聞いて~」と言って息子たちに話を聞かせるのでした。
はじめは「なんか、また興奮してる。何してるんだろうね~」と冷めた様子だった息子たちが、その内にだんだんと興味を示し始め、「お母さん、なんか生き生きしてるね」「何でもやってみるって、アリなのかな~」と関心を持つようになってきました。
嬉しかった出来事があります。できあがった本をすぐには読もうとしなかった長男が、大学進学にあたって進路に悩み始めた時期、私の著書を持ち歩くようになったことです。
本の中のメッセージの数々が息子の心に響き、支えとなり、価値観が変化し、考え方にも幅ができたように感じられた時、私はこの活動を始めて本当によかったと思いました。
「親が視野を広げる」ことで、子どもにより良いアドバイスができるようなるばかりでなく、「子どもの視野も広げる」ということを私自身実感したのでした。
私がこれまでに取材してまとめた3冊の本は、親世代の方々にも多く読まれていますが、お母様方から、こんな感想をいただくことがあります。
「夢を持つことの大切さを教わりました。そして、菅原さんの活動を知り、私自身も諦めないで夢を持ち、これからの人生を前向きに進んでいきたいと強く思いました」
そうなんです!
親が生き生きと輝くことで、その姿を側で見ている子どもたちにも活力を与え、くじけないで生きるためのエールを送ることもできるのです。
それでは、今月の夢プロスタッフは講演パートナーでもある真船さんに登場いただきます。
真船さん、ありがとうございました。次回の夢プロスタッフは高校教師でもあり、お母さんでもある瀧裕子さんにお話を聞いてみたいと思います。お楽しみに!
異文化に出合うというのは、何も外国に行って見聞を広げるということばかりではありません。異なった環境に身をおいてみることで気付くことはたくさんあるし、新しい出会いも生まれ世界が広がります。
様々な経験をし、いろいろなことに積極的に挑戦してみることで、自ずと視野が広がってくることでしょう。

菅原 亜樹子
〔スガワラ アキコ〕
エッセイスト。1959年、東京都生まれ。幼少期をニューヨークで過ごす。学習院大学文学部卒業後、富士銀行(現在、みずほ銀行)に入行、本店外国為替部に配属。退社後に結婚し、2児の母親である。「夢さがしプロジェクト」代表。日本キャリア開発協会会員。全国の学校や公共団体に招かれ、生徒・父母、および教育関係者を対象に講演活動を行っている。2006年、若者の夢さがしを応援する任意団体「夢さがしプロジェクト」を設立し、さまざまな企画を考案し、全国で実施している。学校でのキャリアカウンセリングも担当する。
著書に、『だから、一流。』(学研)、『夢さがしエトセトラ』(真船貴代子との共著/紀伊國屋書店)、『夢さがし こうして私は自分と出会った』(芸文社)がある。
◇ 夢さがしプロジェクト(http://yumesagashi.net/)